エアコンのカビを放置するとどうなる?体への悪影響とカビの発生条件
「エアコンのカビを放置するとどうなる?何か問題が発生するの?」と気になっていませんか?
エアコンのカビを放置すると、肺炎や喘息、アレルギー症状などを引き起こす恐れがあります。現在は健康に異常がなくても、免疫力が落ちたときにふと症状が出始めるかもしれません。場合によっては慢性化する可能性もあるため、なるべく早めの対処をおすすめします。
この記事では、カビの放置によって起こりうる健康被害やカビの発生条件について説明します。カビの掃除法・予防法も紹介しているため、衛生的な環境を維持したい方はぜひ最後までご覧ください。
エアコンのカビを放置するとどうなる?起こりうる健康被害について
エアコンのカビを放置したまま使い続けると、以下のような健康被害を引き起こす恐れがあります。
- 肺炎(夏型過敏性肺炎)
- 喘息
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- アトピー性皮膚炎
この中でとくに注目したいのが、夏場によく見られる「夏型過敏性肺炎」です。これはカビの一種であるトリコスポロンにより引き起こされるもので、咳・発熱・倦怠感などの症状を伴います。
風邪とよく似た症状なので、あまり気にせず過ごしている方もいるかもしれません。しかし、そのまま何年も放置していると症状が慢性化し、肺機能が低下してしまう場合もあります。そのため「毎年、夏場だけ症状が出るが涼しくなると落ち着く」「自宅にいるときのみ症状が出る」という方は、早めに受診して自分の状況をしっかり伝えましょう。
エアコン内部にカビが発生・繁殖する条件
カビが発生・繁殖する条件は3つあり、エアコン内部はこれらの条件を満たしやすい環境です。一つずつ具体的に見ていきましょう。
20~30度の温度
カビは20~30度の温度があると発生しやすくなり、とくに25~28度では活発になって増殖します。
夏場はエアコンの設定温度を20~28度のあいだに設定している方がほとんどですが、実は人間が快適だと感じている温度はカビにとっても良い(繁殖しやすい)温度なのです。
冬場でも、暖房の設定温度によってはエアコン内部が20度以上になることがあります。ほぼ一年中、エアコン内部はカビが好む温度になっているといえるでしょう。
60%以上の湿度
カビは60%以上の湿度があると発生しやすく、80%以上になると一気に増殖します。
冷房運転は、室内の温かい空気を吸い込んでフィンで冷やしたあと、再び室内へ放出する仕組みです。フィンで一気に冷やされたことで空気が含める水蒸気の量が減り、余分な水蒸気が水分となって現れます。これが「結露」と呼ばれるものです。
結露がエアコン内部に発生していたり、屋外へ排出しきれず残っていたりすると湿度は上がります。ジメジメする梅雨時はとくに湿度が高くなるでしょう。
汚れやホコリのようなカビの栄養分となるもの
エアコンに発生した汚れやホコリはカビの栄養分になります。
先程も少し挙げた通り、エアコンは室内の空気を吸い込んで温度を変化させたあと放出する仕組みです。そのため稼働時間が長ければ長いほど、空気中のホコリや汚れを吸い込んでしまいます。大きなホコリであればフィルターで除去できるものの、小さなものは通り抜けてエアコン内部まで侵入してしまうのです。
掃除せずに使い続けている場合はカビの栄養分が豊富な状態になるため、とくに増殖しやすいでしょう。
自分でできるカビ掃除法|可能なのはフィルターと吹き出し口
エアコンでカビが発生しやすい場所は「フィン(熱交換器)」「ファン」「ドレンパン」の3つです。そのほか、フィルターには空気中のホコリや汚れが多くたまります。
そして、自分で掃除できる部分は「フィルター」と「吹き出し口」です。定期的にお手入れをして、きれいな状態を保っておきましょう。
フィルターの掃除は以下の手順で行います。
- 前面カバーを開けてフィルターを取り外す
- フィルター表面のホコリを掃除機で吸い取り、裏側も同様に行う
- 汚れている場合は、裏面からシャワーを当てて水洗いする(汚れが取れないときは薄めた中性洗剤と古い歯ブラシを使う)
吹き出し口は、コンセントを抜いてルーバーを開けたあと水拭きします。汚れている場合は、薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルで拭いたあと、水拭き・乾拭きしてください。
内部のカビ掃除は専門業者に依頼しよう
カビが発生しやすい「フィン」「ファン」「ドレンパン」は、すべてエアコン内部にあります。すみずみまできれいに掃除したいときは、専門業者に依頼するのがおすすめです。
自分で掃除できる範囲はあくまで表面的な部分なので、内部に繁殖したカビまでは対処できません。無理に掃除しようとすると、エアコンが故障してしまう恐れもあります。
しかし専門業者に依頼すると、知識や経験のあるスタッフが徹底的に洗浄し、カビを除去してくれます。エアコンが清潔な状態になるだけでなく、家族の健康被害まで防げるのです。子どもは大人より免疫力が低いため、クリーニングしておくと安心です。
こちらのページでは、当社の過去の施工例を掲載しています。エアコンクリーニング前後でどれほど変化があるのか知りたい方は、ぜひご覧ください。
エアコンのカビを予防する3つの方法
エアコンのカビを予防する方法は以下の3つです。
カビは一度増殖すると、元のきれいな状態に戻すまでに時間や手間がかかります。そのため「温度」「湿度」「ホコリや汚れ」に注目し、カビの発生を防ぐのが大切です。
冷房運転後に1時間以上の送風運転をする
冷房運転後は1時間以上の送風運転を行い、結露を乾かしましょう。そのままの状態で放置しているとカビが繁殖しやすい環境となってしまいますが、送風運転をして湿気を逃がすことでカビの発生を防げます。
冷房だけでなく、除湿運転の場合も同様です。
エアコンの機種によっては「内部クリーン」と呼ばれる機能が搭載されています。これは、冷房・除湿運転終了後に自動で送風(暖房)運転をして内部を乾燥させてくれる機能です。自分で送風運転を行う手間が省けるため、ご家庭のエアコンに搭載されている場合は積極的に利用するのがおすすめです。
こまめに換気する
こまめに換気することで室内の湿度を下げられます。空気中のホコリや汚れを外へ排出して空気を入れ換えれば、エアコンに付着するホコリの量も減るでしょう。対角線上にある2つの窓を開けると、空気の通り道ができて効率的に換気できます。
ただし梅雨時といった室外の湿度が高い場合は、窓を開けると逆効果になる可能性があります。「どのような状況でも湿度を下げたい」という方は、除湿器の導入を検討してみてください。
定期的にフィルター・エアコン掃除をする
定期的なお手入れも、カビ対策には効果的です。
フィルターは空気中のホコリや汚れを最初にキャッチする部分なので、稼働時間が長いほど汚れていきます。2週間に1回を目安に掃除してカビの栄養分となるものを除去しましょう。付着しているホコリの量は、内部の汚れ具合にも影響します。
エアコンクリーニングは1~2年に1回が目安です。定期的にすみずみまでクリーニングすれば、衛生的にエアコンを使い続けられます。
エアコンのカビを除去して家族の健康を守ろう
エアコンのカビを放置すると、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあります。子どもは大人よりも免疫力が低いため、とくに注意が必要です。2週間に1回程度フィルターを掃除し、1~2年に1回はエアコンクリーニングを依頼するのがおすすめです。
少しでも長く衛生的な環境を維持したいなら、そのほかのカビ対策も万全にしておきましょう。「20~30度の温度」「60%以上の湿度」「ホコリや汚れ」という条件がそろわないよう意識すれば、カビ予防に効果を発揮します。