エアコン掃除は電気代節約に有効!詳しい節電効果とおすすめ掃除法
「エアコン掃除は電気代節約にどのぐらい効果があるの?」「快適さを維持したまま節電するには?」とお考えではありませんか?
エアコンのフィルターを掃除すると5%前後の節電になり、エアコンクリーニングをすると風速が約42.3%もアップします。どちらも電気代節約に有効なので、定期的に掃除するのがおすすめです。
とはいっても、そもそも「掃除すると電気代が節約できる理由」について知らない方がほとんどかと思います。
そこでこの記事では、掃除したときの節電効果やエアコンと電気代の関係を説明します。本格的にエアコンを使い始める前に知って、無理なく節電していきましょう。
エアコンフィルターを掃除するとどれくらい節約できる?
まずは、フィルター掃除をしたときの節電効果について説明します。
5%前後の節電になる|掃除していない場合の電気代も
環境省の「家庭でできる節電アクション」によると、フィルター掃除をした場合は冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になるといわれています。たった5%前後だと感じるかもしれませんが、1年間で見るとかなり大きな数字です。
参考:Cool Choice|家庭でできる節電アクション
フィルター掃除をした場合としていない場合を比較したとき、掃除していないほうは1年間で25%もの電気代が無駄になったというデータも出ています。
参考:ダイキン工業株式会社|エアコン掃除の困りごとと対処法
フィルターにホコリや汚れがたまると、目詰まりを起こして空気の流れが悪くなります。そうなると、いつもより大きなパワーで稼動しなければいけなくなるため、電気代が高くなってしまうのです。
フィルター掃除は、エアコンにとってそれほど重要なものといえます。
1年間の電気代を計算してみよう
実際に、エアコンの1年間の電気代を計算してみましょう。「掃除していない場合は1年間で25%もの電気代が無駄になる」というデータから、フィルターが汚れている状態の電気代も一緒に計算します。
期間消費電力量(kWh)✕1kWhあたりの電気料金
上記が1年間の電気代を算出するための計算式となります。期間消費電力量とは、特定の条件で1年間エアコンを使ったときに消費する電力量の目安で、カタログに記載されていることがほとんどです。1kWhあたりの電気料金は27円とします。
エアコンの状態 | 電気代 |
---|---|
フィルターが汚れていない場合 | 41,688円 |
フィルターが汚れている場合 | 52,110円(10,422円アップ) |
フィルターが汚れていると、大幅に電気代が上がることが分かりますね。
ただし各家庭によって使用環境は異なるため、あくまで目安の金額と捉えておきましょう。
ちなみに1時間あたりや1ヵ月あたりの電気代を算出するときは、以下の計算式を使います。
【1時間あたりの電気代】
消費電力量(kW)✕1kWhあたりの電気料金
【1ヵ月あたりの電気代】
1時間あたりの電気代✕1日の使用時間✕1ヵ月の日数
簡単にできるエアコンのフィルター掃除法
フィルター掃除は電気代を節約できるだけでなく、エアコンの効きが良くなったり、カビの繁殖を抑えられたりする効果があります。やり方はとても簡単なので、ぜひ日頃のお掃除に取り入れてみてください。
- 前面カバーを開けてフィルターを取り外す(ホコリがたまっている場合は、先に掃除機で軽く吸ってから取り外す)
- フィルターの外側から掃除機でホコリを吸い取る
- 内側も同様にホコリを吸い取る
掃除機でホコリを吸い取るときは外側からがポイントです。内側から吸ってしまうと目詰まりしてしまいます。
汚れている場合は水洗いしましょう。今度はフィルターの内側からシャワーを当ててホコリを洗い流し、こびりついているものは歯ブラシや中性洗剤を使って落とします。
フィルター掃除の頻度は2週間に1回が目安です。
エアコンと電気代に関する知識
エアコンの電気代に関する要素はフィルター掃除だけではありません。冷房や暖房、室内環境によってもその金額は変動します。
冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなる
電気代が最もかかるのは、運転を始めてから設定温度になるまでの間です。そして、冷房よりも暖房のほうが外気温と室内気温の差が大きい分、電気代も高くなる傾向にあります。
例えば夏の外気温が32度で設定温度を26度にしていた場合、温度差は6度です。一方で、冬の外気温が4度で設定温度を20度にしていた場合、温度差は16度になります。
設定温度になるまで室内の気温を下げる(上げる)にはフルパワーで稼働させる必要があり、気温差が大きいほどその時間は長くなります。そのため、暖房のほうが電気代も高くなるのです。
室内環境やエアコンの使い方によって電気代は変動する
室内環境やエアコンの使い方によっても電気代は変動します。高くなりやすい条件は以下の通りです。
- フィルター掃除もしくはエアコンクリーニングをまったくしていない
- 設定温度を極端に下げている(上げている)
- 部屋の断熱性や密閉性が低い
- 頻繁にスイッチをつけたり消したりしている
部屋の断熱性や密閉性が低いと外気温の影響を受けやすく、エアコンの風も外へ逃げやすくなってしまいます。例えるなら、できたての料理を保存容器に入れるのとフタもせずそのままテーブルの上へ置いておくのでは、後者のほうが冷めやすいのと一緒です。
また、頻繁にスイッチをつけたり消したりすると毎回フルパワーで稼働する時間が発生するため、電気代は高くなりやすいでしょう(つけっぱなしにすべきか消すべきかは状況によって異なります)。
エアコンに貼る不織布フィルターは節約につながらない?そのメリットとデメリット
皆さんは、エアコンに貼る不織布フィルターをご存じでしょうか?
この不織布フィルターはエアコンの上部やフィルターに貼り付けて使うもので、ホームセンターもしくは100均で手軽に購入できます。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | 汚れたらすぐに交換できる フィンやフィルターが汚れにくくなる |
デメリット | 空気の吸い込みを妨げてしまうため、電気代が高くなりやすい ホコリがたまったままだとエアコンに負担がかかって寿命が縮まる恐れがある |
この商品は、エアコン内部に汚れやホコリが入るのを防ぐ効果があります。フィルターに貼り付けるタイプであれば、掃除の頻度を軽減できるでしょう。しかし吸気口に当たる部分に貼り付けるため、どうしても風量が弱くなったり、運転効率が悪くなったりしてしまいます。
もし不織布フィルターを使用する場合は、汚れたらすぐに交換してください。商品によっては、取り替え時期になったら文字や模様が浮かび上がってくるものもあります。
エアコンクリーニングは電気代節約にも効果がある
フィルター掃除は電気代節約につながる大切な要素ですが、さらに効果的なのがエアコンクリーニングです。
ダスキンホームズが行った実験によると、クリーニング前後では1分間の平均風速が3.45m/秒から4.9m/秒に変化し、約42.3%も風速がアップしたそうです。風速が改善するとスムーズに稼働できるため、電力の無駄な消費を防げます。
参考:ダスキンホームズ|エアコンクリーニングをすると電気代が安くなるってホント?
エアコンクリーニングは内部にたまったカビまで除去できるため、清潔な空間を保てるのも嬉しい点です。
当社では、専門の洗剤と道具を用いてエアコンのすみずみまで洗浄しています。作業前後の比較写真も掲載しているため、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
フィルター掃除以外の電気代節約術
フィルター掃除以外に電気代を節約する方法は、以下のようなものがあります。
- 設定温度を調節する
- 室外機周りにものを置かない
- サーキュレーターや扇風機を併用して空気を循環させる
- 室外機に直射日光が当たらないよう、日陰を作る
- 電力会社の料金プランを見直す
節約術を意識しすぎず、無理のない範囲で行うのが重要です。とくに設定温度の調節は家族の体調に関わることなので注意してください。
まずは自分ができることから始めてみよう
フィルター掃除やエアコンクリーニングは、電気代の節約に効果的です。汚れがたまっていると空気がうまく循環できず、余計な電力を消費してしまいます。反対に、きれいな状態にしておけば効率的にエアコンを使えるのです。
少しでも電気代を安くしたいなら、定期的な掃除をおすすめします。
また、フィルター掃除以外にも電気代を節約する方法はあります。今すぐに実践できるものもいくつかあるため、まずは自分ができることから始めてみましょう。